ポロロッカ　アマゾンに海から逆流した波がふたたび海へ逆流する高波

　　　水一滴芽におち樹になり幹の割れ街が現れドラマ始まる

　　　若き日の重信房子だったかもアテネの店へわれ誘いし女

　　　冬炎天異状乾燥低下する水位とわれの裡なる渇き

　　　掟にて忘却の扉へ入る卵巣の撹乱にわが体の惑う

　　　たたかいをやめてしまいし卵巣よ恐竜の隠せし卵出づるや

　　　Tシャツに犬と駆けゆく朝の陽につき出でゆるる乳房まだあり

　　　泣き顔の一枚とてなきアルバムに祭りのごとく三十路がまぶしい

　　　大袋に分厚き枯れ葉をガッサリと詰め込むさまを樹が見ておりぬ

　　　葬れよ夢葬れとわが裡にポロロッカは来午前三時なり

　　　　　　　　　　　　　　から
　　　赤錆びし空の手榴弾もつ子にて殺すと空のセリフ投げくる　　

次へ