指先ほどの国（�T）ウルグアイ旅行

　　その日死する人らばかりの乗り合わせし事故よと言われ飛行機に乗る

　　万匹のひつじの雲の上飛ぶ時しわが機のスピード羊のごとし

　　移住して躓き転びウルグアイにしっかり今立つひと等に抱かる

　　まるく見ゆる外洋より来し痩せし娘はバスにて去りぬ草原のくにを

　　うるみたるこころで来れば三度目もモンテヴィデオに夜通しの雨

　　単純に清しき風の吹くように男が説きぬ血縁の良さ

　　三階を覗き見している街路樹の街の女の子の透き通る肌

　　溜め置きの雨水バケツに貰いうけ髪洗いし家廃家となりて

　　梅ぼしあめをポケットにひとつさぐりあてそうっと渡せば目が細まりぬ

　　ゆく春の草原にきて雨音の止めば聖市と同じ鳥鳴く
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　すいか　　　　　　　　　　　　　　　　　　パンパ
　　機関銃突きつけられて誰何されしあの夜の草原に 虎杖の伸ぶ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　パンパ
　　くきやかに故郷の虎杖思い出し草原に折ればその音愛し

　　仲の良きモンテヴィデオの天と地かつま先立てば取れそうな雲

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