「今すこし太陽遠くなりました」指冷ゆるまで手紙を書きぬ あの頃は日本晴れと言いました壊るるものなきこの空の青 清姫に近づかんと娘の踊り済みわれに水乞うポ語にて水を 訳せしは誰にありしや牛蹄樹の枯れ葉多かりああやはり秋 過去の日を眺むるごとく水溜りに映りし遠き空またぎゆく 焼肉に味つけこぼれし岩塩の水に流れぬ量ほどの誤解 似ていてもキューイとイチゴの切り口に腹割りしこと白白として ガラス器に地の塩見ゆる真昼間も教えに背き迂回いつづく ひとたびも雪を見ざりし椰子樹の明るさにより癒されている 瓶詰のアスパラとなり上りゆき十五階まで雨とすれ違う 小かぶ漬けすくなき菜を分けくれる友あり温かき聖市と思う |
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