一世の音
　　　　　　
　　　　タナバタの横字の短冊何とゆるるさやさやさやは一世の音

　　　　全能の神にしあらば横文字の願いも適わむフェスタタナバタ

　　　　この国の南へ南へいつ行きし林檎の富士か苦労したでしょ

　　　　この母の食事に文句は言うなかれお前の好みに作る娘娶れ

　　　　靴下に付ききし髪に恋人は日系らしきと子の一部知る

　　　　収集の友の人形の国際性飛行コースをわが目に伸ばす

　　　　ブロンドの素直にながき髪に吹く風の誘いに娘よ攫われるな

　　　　落ちし葉の量感捕らえし耳側の芝生のゴムの葉ゆれもせずあり

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